騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「今、私から話せるルーカスの興味深い話は、そんなところだ」
「え……」
「これ以上を私の口からビアンカ王女に話したら、きっと、ルーカスに怒られてしまう。何分、我が国の騎士団と、それを率いる騎士団長殿は非常に優秀だからね。敵に回すと怖いので、この辺でご容赦願いたい」
最後は戯けたように笑ったオリヴァーを前に、ビアンカはそれ以上、何かを尋ねることはできなかった。
知れば知るほど、疑問も多く降り積もる。
けれど唯一、揺るがないことといえば、彼──ルーカスが、ビアンカを深く愛しているということ。
騎士団長、ルーカス・スチュアートが、唯一抱き締め眠る相手が……ビアンカだということだけだった。