『さよなら』の思い出

「この一年が終わったら卒業だって」


「はやいよねー」


「ほんま年取ったわー」


 高校3年の春。

 私達にとっては最後の青春。


「じじ臭いこと言わないでよ。」


 ショートボブにスラっとしたスタイル、長身。

 白ベストで陸上部に所属してる女の子。

 私の一番仲の良い友達、藤原 紫穂。


「心はいつでも30代や。」


 高校1年の秋に引っ越してきた茶髪短髪くせっけの関西弁の男の子。

 年中半袖で冬とか凄く寒そう。

 西宮。


「おっさんかよ。」


 このグループのリーダー的存在。

 黒髪さらさらヘアーに涼し気な目元。爽やかに笑う男の子。

 小学校からの腐れ縁、岩崎 陽斗。


「…あ、せんせー。」


 1番小さい身長に、まぁこれでも平均以上あるんだけど、長くてくるくるの髪。

 年中茶色のカーディガン着用の私。

 高峰 綾羽。


「綾羽ほんとせんせー好きだよねー」


「好きじゃないし。からかうと面白いの。」


「そー言って好きなんやろ?」


「埋めるよ?」


「怖っ」
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