『さよなら』の思い出

「それでも常に寝てる綾羽よりマシでしょ。」


 寝る子は育つんだよ。

 多分。


「その身長でよく言うわ。」


「西宮うるさい。」


 私は平均だから。

 小さくないから。


「高峰、さっきの授業で課題でたからちゃんとやっとけよ。」


「何それ聞いてない。」


「寝てたからな。」


 さっきの授業って世界史じゃんか

 私世界史苦手なんだよなぁ…

 カタカナって覚え難い…


「ずっと思ってたんだけど、どうして綾羽と陽斗って名字呼びなの?」


「それゆったら俺も下の名前で呼んでもらったことないで!?」


「それはおいといて。」


 うーん…

 小学校の頃からずっと名字呼びだったから

 今更変えるのもなぁ…


「高峰は高峰だしなぁ」


「岩崎は岩崎。」


「俺は!?」


「「西宮」」


「誰か名前で呼んで!?」

 
 西宮の名前ってなんだっけ?

 西宮は陸上部に新しく入ってきたやつーって岩崎と紫穂に紹介されて

 そこから西宮が謎に絡んでくるようになったから

 ちゃんと名前を聞いてなかったかも。
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