先輩、私の事見てくださいよ。



いつもの爽やか王子、なんて面影もないほど淡々と、それでいて少し寂しさを混ぜた声で聞いてきた





「あ、えっと、わ、忘れてました」




苦しすぎでしょこの言い訳


毎日一緒に行ってるのに今日に限って忘れてたとか、我ながら良い考え浮かばかったな




「何言って「翔ー?」



先輩が喋り終わる前に、反対側の下駄箱からひょこっと顔を出して先輩の名前を呼んだのは




「優衣、ちょっと待ってて」




やっぱり柊さんだった


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