先輩、私の事見てくださいよ。
「何言ってんの海斗っ!ってか今授業中じゃ「唯」」
ふざけて、いつものノリで笑いたかったのに
海斗が優しいから
でも、その優しさが今はつらいだけ
「やめてよ!せっかく泣かないで先輩を離してあげたのに!泣いていいなんて言わないで、今泣いたら私ずるいでしょう?私のわがままを、私が終わらせた。それだけだから。…ごめん、ありがとう。でも今は一人にして」
ごめんね、海斗
いつもはその優しさに助けられてたけど
今私は、優しくしてもらっちゃいけない
先輩だってつらかったはずだもん
屋上から出ていく時、すごく苦しそうだった
私が、無理に笑顔でいる事に気付いていたんだと思う
だから、先輩も十分苦しんでるから
私も、ちゃんと傷付いて、自分でその傷を癒さなきゃ、いけないでしょ?