先輩、私の事見てくださいよ。
「…ごめん。俺、少しサボるからお前先教室戻れよ」
「うん、分かった」
本当、ごめん
明日にはちゃんと復活してるからさ
明日からまたふざけあおうよ
だから、今は今だけは何も言わないで
「ありがとう、海斗」
そう言って、私は屋上の扉を閉めた
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「っはぁ、あそこで告ってたらあいつの傷増やしちまうもんなぁ」
「ご愁傷さまぁ」
「っ!びびったぁ、凛々花、どこにいたんだよ!」
「え、最初っからここにいました。」
「…んだよ、ふられた俺を笑いにきやがったかこのやろう」
「んー?いーや?失恋同士黄昏るのもいいんじゃないかなって」
「は、お前誰に失恋したんだよ」
「あんた。」
「…は?」
「あぁ、最後まで気付かれないまま失恋とか私悲しーっ。…慰めて」
「…は、え?…」
この屋上で、一つの恋が始まったのを私が知るのはもう少し先のお話。