キオクノカケラ
小柄な古村がさらに小さくなっていく

「んまあいつややこいわぁ」


「どちら様?」
聞いてみた


「古村ぁ、確か国語の教師やったと思うあいつ入学式の前の日家来てそんなふざけた髪の色では困りますーとか言ってきた」
巧の頭に目をやる

綺麗な茶色に染まっていてたしかに似合っている


「戻さんへんの??」


「当たり前やし!」
巧が握りこぶしを作る


(こいつスゲーな…)


少したって分かれ道で左に曲がろうとすると

「海斗俺ん家来い♪♪」
巧が手招きしている


「どうしよっかなー」
と言う前に巧が無理矢理引っ張って右に曲がった


「あら海斗くんノリノリですね♪」
巧が笑う


「お前な…」
言いつつ巧の家に向かって自転車をこいでいた

「俺ん家あれやでー」
少したって巧が指差す


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