君と僕と記憶と。

事件

キーンコーンカーンコーンと19時を告げる耳障りなチャイムが学校全体に鳴り響く。




それは僕のいる図書館にも同様に響いた。




…もうこんな時間になってしまった。



図書館で勉強をしているといつもそうであった。
このチャイムは耳障りだが、なかったら夜遅くになっても気づかない可能性があるので 感謝はしている。




「ふぅ…。」




当たりを見渡すと図書館に人はほとんどいなかった。



帰ろうと思うのと同時に携帯を教室に置いてきたことに気づく。




「………。」




面倒臭い。
非常に面倒臭い。





僕の学校の図書館は2階の特別棟にあり、僕のクラスの教室は、3階教室棟にある。




つまり、廊下を歩き階段を上り 携帯をとりにいくのだ。




ただでさえ、最近体がだるいのに。




なんという重労働。




「行くか。」




面倒臭いと携帯を学校に置いていくのを天秤にかけ、心を決めた。
< 11 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop