君と僕と記憶と。
「願い?」



「そう、願い。あのね、私 やりたい事たくさんあるの。まだまだ…まだまだ。だから…。」




「私が死ぬ手伝…「嫌だ」」


被せるように僕は言う。


そして、怒鳴る程の声で




「死ぬ準備なんて、してんじゃねぇよッ!」





「…なんで、アンタがそんな苦しそうな顔…してるの?」



落ち着くんだ…僕。



「…急に、そんな事言われたら流石の僕だって驚くさ。 それに、記憶を消すなんて馬鹿げてる。」



「馬鹿げてない。もし、桐生くんも…こうったら分かる。」





「……だったら、手伝ってあげようじゃないか。」

「え?」



「お前が、記憶を消したくないって思う手伝いをな、僕が直々にしてやろう!」



そう言って精一杯の笑顔で笑った。
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