君と僕と記憶と。

約束

翌朝。


僕は思ってもみなかった
あんなことになるとは…。


けれど、確信した。
稲嶺遥は【頭がおかしい】と。

゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+

いつも通り教室に着くと心なしか騒がしい気がした。


ガッガラガラと、相変わらず立て付けの悪いドアをこじ開けると

「おいっきたぞ!!!」

と数人の男子クラスメイトに囲まれる。


「どういう事だよ!」

「お前、抜け駆けだなんて!」

「××かちゃんは、みんなのアイドルだろ!?」

「あ?」

耳障りだ。

しかも…
『××か』

誰のことを言ってるんだ?
抜け駆け…?


「何を騒いでるんだ?」


うっすらと状況を察してきた僕だが
囲われた男子に問いかけてみる。

「お前、昨日から 遥ちゃんと付き合いだしたんだって?」

「昨日お前が告ってさ。」

「遥ちゃんは、日記にお前のこと【賢い人】としか書いてなかったから 付き合ってみることにして。」

「頭いいからってそうやって、記憶が1日で消えること利用してさ。」


次々に男どもが話し出して
僕は状況をはっきりと理解した。


つまり、何故か知らないが

僕と稲嶺が
【男女交際】をしている事になっているらしい。

「とりあえず、五月蝿い。」

と、言い囲われた男子を散らし
稲嶺の所へ行く。
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