君と僕と記憶と。

デート

稲嶺とのデートの来週の日曜日…11月19日が来てしまった。

そして、僕は今 待ち合わせ場所である駅にいる。

「…改札出たところに10時だよな……。」

手元にあるルーズリーフ4枚分ほどのスケジュールを見てもそうなっている。

稲嶺に伝えたはずだが不安になってきた。

なぜなら、今の時間は10時15分。

遅刻か…?
何かあったのか…?

…モヤモヤする。

いっその事帰ってしまおうか。
と思った瞬間。

「桐生くん!遅れちゃってごめん。」

稲嶺が走って 僕の元に向かってきた。

「……。」

「桐生くん?」



「可愛い」

「へ?」

「へ?」

「……ど、どうも」

僕は今なんて言ったんだ…?
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