君と僕と記憶と。
「はい。」


「うわぁー!すっごい。」


あっ、となにか思いついたような声を出して


「ねぇ、ケチャップでなんか書いてよ。」

と言ってきた。


「は?めんどくさ。自分でやれ。」


「えーーー、いいじゃん!ね?ね?」


さっきの言い方は良くなかったし
稲嶺もこう明るくしてくれてるんだし、
やってやるか…


なんて書こうか……な。


人にオムライスを作ることはあるが
ケチャップで何かを書いてなんて
頼まれたことがない。

そうだ。


「はい」


我ながらうまく出来た。


「おっ!…ムカつくんですけどー。」


そう、僕はオムライスに



阿呆



とかいた。


漢字なのにも関わらず
なかなか綺麗に出来た。


「もう!こうしてやるぅぅ。」


「あっ!」
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