君と僕と記憶と。
うううー。
と唸りながら、折角の阿呆を
スプーンでぐちゃぐちゃにしてしまった。


「折角、僕が書いてやったのに。」


そういうと稲嶺は僕に向かって


「べーっだっ!」


とアッカンベーをしてきた。


…なんか、色んな表情をみせるなこいつは。


僕とは何もかも違うと感じてしまう。



「ん?桐生くん?」


「あ、いや。ぼーっとしてた。」


「珍しいね。」


稲嶺はふふっと笑いながら言った。
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