君と僕と記憶と。
ねじれる関係

何かがおかしい

稲嶺とのデートが【失敗】に終わった次の日。
稲嶺がいつもと違った。


というのは、稲嶺は付き合ってからというもの 毎休み時間 僕のところにやってきていた。


別に大した話がなくとも、毎回毎回きていた。


それが今日は全くこない。
僕の方を見向きもしない。


なんだか…少し寂しい気がした。


意を決して、僕は稲嶺に話しかけることにした。


帰りのSHRが終わり僕は稲嶺の席へと向かう。



「おい、昨日のデートはありがとな。途中バタバタしてすまなかった。」


僕は


ホントだよ!とか
また行こう!とか



明るく返ってくるであろう返事を待った。



……。



返事が返ってこない。



「おい、稲嶺。」




「ねぇ……桐生くん。昨日の……デートってなんのこと?」
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