御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
それは彼が勝手に決めただけ。
しかも、なにも会社でしなくたって。


「まぁ、いい。秘密の関係っていうのも、なかなか刺激が強い」


彼はにやりと笑うけど、私はかみ合わない会話にクラクラした。

秘密もなにも、私たちの間にはそういう感情はないでしょう?
住むところがなくなってしまった私を、拾ってくれただけだ。


「と、とにかく、食べてください。時間がなくなります」


まだ十分すぎるほど時間はあったが、そうでも言わないと冷静になれなかった。

朝食が済むと、彼の車に乗り込んで会社に向かう。
今日はまだ七時半前だ。

そういえば……。


「あの、昨日桑田さんになにか言ってくださったんでしょうか?」


あんなに私を拒否したのに、あれからなにも言われなかった。
ただ、嫌いオーラは出ていたけれど。


「彼女は男の多いこの世界で奮闘してきた、優秀なファンドマネージャーだ。少々気も強いが、そうでなければやってこられなかっただろう」
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