御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
一緒に入っていけばいいという彼を説き伏せ、先にダッシュで会社に飛び込むと、一木さんは颯爽と現れた。


「おはようございます」

「おはよう」


皆が頭を下げる中を歩いてくる一木さんは、将来のトップとしての風格を持ち合わせていて実にカッコいい。
昨日、あの人に抱きしめられたんだと思うだけで、呼吸が速まってしまう。


「そろってるな。ミーティングを始める」


彼はそのままミーティングルームに行ってしまった。

朝のミーティングが始まり、今週は当番という佐橋さんと一緒にコーヒーを淹れに行くと、「蓮川さんってさ、どこでスカウトされたの？　プレジールじゃないよね」と聞かれて困ってしまった。


「えぇっと……」


コーヒーをカップに注ぐ手が止まってしまう。


「あれ、なんか変なこと聞いた？」

「いえ。プレジールです」


取り繕っても仕方ない。
それに、一木さんと口裏を合わせていないので、同じ質問を一木さんにされたらボロが出る。
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