御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「どちらにしても、お前は俺好みの女になるんだけどな」


もう一度抱き寄せられ、耳元で囁かれると、ゾクゾクする。


「あはは。また固まった」


しかしどうやらからかわれているらしい。


「もうご飯作りませんよ!」とたしなめると、「それは困る」と素知らぬ顔をして離れていった。

でも、グローバルアセットマネジメントで初めての給料をいただき家賃も社会的身分も保証されたのに、なぜかここを出ていく気になれなくなっていた。

それは、一木さんとこうして一緒に食べる食事がおいしくてたまらないのと、あとはなんといってもあのベッドの素晴らしい寝心地。
起きたときに体のどこにも痛みがなく、すっきりとよい朝を迎えられる爽快感。


……というのは間違いなくあるけれど、多分、それだけじゃない。


株式運用部のトップとして見事に部下を導く姿に感心しながら、家では甘いセリフで私を振り回す彼から離れがたくなっていたのだ。
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