御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
それでも、就活の間だけだと自分に言い聞かせ、そこに住むことにした。

といっても、思うように職が見つからず、約半年の間、貯金を食いつぶす日々が続いた。
このままではいけないと思い、プレジールでバイトを始めたのだ。


次の給料日に十万位は入るはずだけど……その前にマンション代を払わなくてはならない。
残り五千円ではどうにもならない。


途方に暮れながら、次の日も、その次の日も笑顔を作って接客をした。

高級バッグを持ちビルに入ってくる人は、どこに行くのだろう。

上にある高級レストランか、はたまたスイートが一泊二百万もするという噂のホテルか。
いや、どこかの会社の顧客なのかもしれない。

そんな人たちを横目で見ながら、最後の五千円札片手にため息をつく。


もうマンションは退去してしまった。


「とりあえず、カプセルホテル?」


そう考えてスマホで検索してみたものの、一泊三千円は下らない。
一日しか泊まれない……。


寝場所を確保するために食費は削り、昨日の夜からなにも口にしていない。
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