御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「ありがとう。無事に緊急手術を乗り越えて、落ち着いた。俺の顔見て、喜んでくれたよ」

「よかった……」


ホッとため息をつくと、彼は私の目をまっすぐに見つめる。


「恋でもしてるの?」

「はっ?」

「女の子がダイエットって、だいたいそういうときだろ?」


あはは。ダイエットなら、そうかもしれない。


「いえ、そうじゃないです。好きな人も彼氏もいません」

「そうなんだ……」


そんなことを口にしながら、なんだか悲しくなった。

トーリツツーリストでも仲のいい同僚の男性はいたけれど、そういう関係にはならなかったし、仕事に必死だったから、彼氏を作る余裕もなかった。

一人前になってからと頑張ってきたのに、その夢はあっけなく散っていった。


そんなことを思い出していると、鼻の奥がツーンとしてくる。

ダメだ。
うまくいかないことばかりで、メンタルが弱ってる。
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