御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「夏目さん、その節はご迷惑をおかけしました」

「とんでもない。蓮川さんのおかげで首がつながったんだよ。まさかあんな賭けを了承するなんてびっくりだったけど」


あのときは必死だった。
だけど改めて思い出すと、一木さんに無鉄砲と言われるのもうなずける。


「社長が残念だって。蓮川さんの度胸、気に入ったのにって言ってたよ」

「えぇっ! そうなんですか?」


夏目さんは白い歯をみせる。


「でも一木さんはすごい人だね。正直、ダイオーとの取り引きはもう無理かもって営業では覚悟してたんだけど」

「一木さんはあきらめたりしません。だからこれからもよろしくお願いします」


私が頭を下げると「そんなこちらこそだよ」とにこやかに返してくれた。


「よければ打ち上げしない? ダイオーがうまくいったお祝い。あっ、でも上司がいると緊張するから、一木さんには内緒ね」

「私はなにもしてませんし」
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