御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
夏目さんが言っているのは人としてであって、男女の間の『好き』とは違うとわかっているのに。
やっぱり一木さんに恋愛レッスンしてもらわないとダメかな……。


「それは過大評価です。そんなことは全然ないです」

「いやぁ、あの場でとっさにあんな賭けに出られるなんて、なかなかだよ」


私にとっては賭けではなかった。
一木さんを信じていたからこそ、あんなムチャクチャな申し出を受け入れたのだ。


「……あはは」


でもそれをうまく伝えられそうになくて、笑ってごまかした。


「蓮川さんは、どんな人が気になる?」

「どんな、と言われましても……」


難しい質問に困ってしまった。
でも、私の頭に浮かんだのは一木さんだ。


人知れずコツコツと努力を重ね、妥協は一切許さない。
没頭しすぎるのが玉に瑕だけど、それも彼が真剣に一瞬一瞬を生きているからだと思う。


あぁ、ダメだ。
さっきから一木さんのことばかり頭に浮かぶ。
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