御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
以前の私なら、こんな言葉を浴びせられたら、ただ傷ついて泣いたかもしれない。
でも……一木さんは私のいいところをたくさん探してくれた。

私にだって、咲ける場所はある。


「身の程はわきまえているつもりです。私は株の知識なんて少しもありません。勉強も始めてみましたが、難しくて……。でも、私にもできることがあります。だから一木さんは私を雇ってくださいました」


私が反撃してくるとは思っていなかったのか、彼女は唖然として私を見つめている。


「コピーも桑田さんにとっては価値のない仕事でしょう。でも、一枚でも抜けていては困ります。機械にも頼りますが、最終的には自分の目ですべてがそろっているかチェックしています」


今日のコピーも、ページが抜けていないかすべてチェックした。
その作業を含めて定時に終えたので、一木さんも私がそうすることをわかっていたのではないかと思っている。
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