御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
だって私も、彼に抱きしめられて、うれしくて……幸せだったんだもの。


「英莉?」

「もう、謝らないでください」


なんと言ったらいいのかわからず、それだけ伝える。
すると、彼はもう一度口を開いた。


「いや。本当にすまない。ただ、英莉を好きな気持ちだけは信じてほしい。もう俺の顔なんて、二度と見たくないかもしれないけど、俺は……」


気がつけばドアノブに手をかけ、ドアを開けていた。


「英莉……」

「それならどうして……」


緊張で手に妙な汗をかいているのがわかる。

聞きたいのに、聞きたくない。
相反する気持ちが心の中でせめぎあい、胸が苦しい。


「どうした? 聞きたいことがあるなら、なんでも聞いてくれ」


彼は少しも迷いのない視線を私に向ける。

もうこらえきれなかった。
大好きな人から愛の告白をされ、気持ちを隠しておくなんてこと、私にはできない。
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