御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
桑田さんのマンションに着くと、淳也さんと一緒に彼女を迎えに走った。
案の定、真っ赤な目をした彼女は、私の姿を見つけて目を丸くしている。


「桑田さん、事情はお聞きしました。お願いです。彼の支えになってあげてください」


オペは二週間後だという。
簡単ではなく、もしかしたらそれが原因で亡くなってしまうという可能性がないわけではないと。

正幸さんは『一度はあきらめた命だから』と言っていたらしいが、怖くないわけがない。


「な、なに言って……」

「好きじゃないの?」


私は語気を強めた。
大変なときに支えられなかった後悔とか、淳也さんを好きになろうとしてしまったこととか、そんなことはどうでもいい。

それが間違っていたと反省することなんて、いつでもできる。
それより今、この瞬間、桑田さんがどうしたいかが大切だ。


「失礼なこと言って、ごめんなさい。でも、好きな人のために必死になるのって、そんなに恥ずかしいことですか? このままで本当にいいんですか?」
< 279 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop