御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「いつか、離れなくちゃいけないなら……」


必死に涙をこらえているのに、声がかすれてしまった。

いつかあゆみが言っていた『自分からあきらめれば、傷つかずに済むと思ってる』という言葉がちらちらと頭をよぎる。
今の私はまさにそれ。

彼のことをあきらめるなんて、本当はイヤだ。
でも、もうこれ以上傷つきたくない。

桑田さんが壊れてしまったように、私も——。


「どうして離れるんだ? 離れるつもりはない」


私を見つめる彼の視線が熱い。


「だって、無理なんです。どれだけ勉強したって、桑田さんみたいにはなれないし、淳也さんの仕事を全部理解なんてできないんです」


社長の隣にいられるような人間じゃない。
わかっていたはずなのに、彼に恋をして、束の間の夢を見てしまった。


「俺は仕事のパートナーになってほしいわけじゃない」

「それはそう、ですけど……」


恋人までなら許されたかもしれない。
でも、このまま彼と一緒にいたら、きっとその先の未来まで欲しいと思ってしまう。
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