御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
私が焦りまくると、彼はクスクス笑いながら離れていった。

絶対にからかわれてる……。

淳也さんとの同棲は、ドキドキハラハラばかりで心臓に悪いけど、一度その心地よさを知ってしまうともう逃れられそうにない。


淳也さんと一緒に出勤して簡単に掃除を終えた頃、数人がパラパラと出社してきた。

今日は桑田さんは休み。
さっき淳也さんが電話で話して、正幸さんとの時間を大切にするようにと伝えたのだ。

やがて佐橋さんも出社してきて、私を見つけるやいなや駆け寄ってくる。


「あっ、蓮川さん! もう大丈夫なの?」

「はい、ご心配をおかけしました」


嘘をつくのは心苦しいが、自分が蒔いた種だ。


「よかったー。昨日は津川さんに叱られっぱなしで疲れたよ」

「叱られたんですか?」


聞き返すと、佐橋さんは大きくうなずく。


「そう。昨日、桑田さんのチームの雑用も俺がやったんだけどさ、蓮川さんならこんな雑な書類持ってこないぞって」
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