御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「お待たせしました。カフェモカです」


あゆみはすぐに持ってきてくれて、私の耳元に口を寄せる。


「いい報告?」


あゆみにはお見通しだ。
私はコクンと頷いた。


「それじゃ、王子さまのところに戻ったんだ」

「うん。私、自分に自信がなくて彼のこと、あきらめるべきじゃないかって思ってた。でも、本当に好きな人のことは、あきらめたりできないんだね」


気持ちを押し殺すことがどれだけ苦しいことか知ったから、もう二度と彼から離れたりしない。


「なーんだ。惚気に来たのかー。このー!」


あゆみは私をツンツン突っつきながら、満面の笑みを見せてくれる。


「今度連れて来てよ。コーヒーおごっちゃう。あっ、やっぱりおごってもらおう。だって、私が英莉にあきらめないように言ったんだし」

「あはは。そうだね」


こうして笑えてよかった。
淳也さんと一緒にいられて、よかった。
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