御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
彼は『たっぷりな』なんて私をドキドキさせたくせに、ベッドに入るとすぐにストンと眠りに落ちた。

ヘトヘトなんだ……。
彼からは、ダイオー電機の巻き返しをしていたときと同じような切迫感を感じていた。



そして、翌日。


「リーダー、よろしく」

朝の会議が始まり、フロアの雰囲気がピリリと引き締まる。
私はいつものようにコーヒーを淹れ、会議室に運んだ。


「ですが一木さん。たしかに高リターンは見込めますが、リスクも高い。先行き不透明なこの時期に手を出すのはどうかと」


どうやら淳也さんへの反対意見が出ているようだ。


「はー」


淳也さんが珍しく大きなため息をついている。
すると津川さんが口を開いた。


「一木さんらしくないですね。これじゃあ博打と一緒です。いつもの冷静さはどこにいったんですか?」


津川さんまでもがそう言うということは、無茶な取引なのだろう。
< 304 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop