御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
しばらくすると、ドアが開く音がして彼が入ってきた。


「コーヒーでいいですよね」


いまだ心臓の高鳴りを抑えきれず、彼に背を向けたまま尋ねたのに返事がない。


「あの……わっ!」


思い切って振り向くと目の前に立っていたので、大きな声が出てしまった。


「蓮川って、ウブなんだな」

「ななななな、なに、い、言ってるんですか!」


あぁっ、私、噛みすぎ。


「だってほら、耳まで真っ赤」


えっ!
私が慌てて耳を両手で覆うと彼はニヤリと笑う。


「へぇ、赤い自覚あるんだ」

「なっ、ないです!!」


なんなの、この人!
焦りまくっていると、彼はククッと笑う。


「面白いヤツ」


からかわれてる? 
こっちはこれでも大真面目なのに。


「もう、いい加減にしてください!」


ちょっと腹が立ったからか、自分でもびっくりするような大きな声が出てしまった。
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