御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
「五時までまだ時間があるな」

「コーヒー、淹れましょうか」

「うん、頼む」


本当にあの高いベッドが来るんだと思うと、落ち着かない。
というか、緊張で眠れないかも。

そんなことを考えながらコーヒーを淹れていると、彼はソファに座り、雑誌を読み始めた。

仕事ばかりじゃないんだ……とちょっとホッとしながら出来立てのコーヒーを運んでいくと、彼が手にしている雑誌が経済に関係するものだったので、思わず眉間にシワが寄る。

ファッション誌かと思った。
勝手に思い込んだだけだけど。


「コーヒー、できました」

「あぁ」


テーブルにコーヒーを置いても気のない返事。
どうやら記事に没頭しているらしい。


「あの、冷めます」

「うん」


私の話なんて、右から左だ。


「一木さん!」


だから私はわざと大きな声を出した。


「あっ、悪い。なんか言ったか?」

「言いました。コーヒーです」


やっぱりなにも聞いていなかった。
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