御曹司と溺愛付き!?ハラハラ同居
程よい硬さのマットにボックスシーツをかけ終わると、すぐにリビングに向かった。


「あの、ベッド、本当にありがとうございました」

「そんなことはいい。手伝ってくれ」


カニと格闘している彼の姿が意外すぎて、噴き出しそうになった。


「一木さん、料理できるんですね」


カニの足にスーッと包丁を入れ、身を取り出しやすくしている彼を見ていると、家政婦なんて雇わなくてもできそうだ。


「いや、カニしかできない。親父がカニ好きで、これは家では男の仕事なんだ」


それで覚えたんだ……。


「それじゃあ私は、他の準備をしますね」


私は彼の隣で野菜の準備を始めた。

こうしていると、なんだか新婚みたい。
彼氏いない歴二十四年の私が、いきなり男の人の部屋に住み、肩を並べて料理をしているなんて、不思議でたまらない。

でも、楽しいかも。
< 77 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop