放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。



ドーン、と花火が上がるたびに屋上にそれに負けないくらいの5人の歓声が響く。


特別に開放された私達だけの屋上。花火大会の開始が7時からだから、たった1時間の特別ステージ。



色とりどりの火花が夜空を明るく照らす。



「おーこりゃ特等席だな」



そう言うと安全柵によりかかり、花火に背を向け座る葉月君。



「この校舎はそこらへんの建物よりも高いからな」



私の隣で日向君も同じように腰を下ろした。チラリ横を見ると瞳を閉じて花火の音を聞いているようだった。
< 104 / 416 >

この作品をシェア

pagetop