放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
監督の話が終わり、それぞれが涙を流し、悔しさを口に出す中。
「大地、先輩」
「・・・琴美」
揺れ動く濡れた瞳。
琴美も悔しいに違いない。中学の頃から、国立を夢見てた一人なんだから。
「さっき、相手高の赤堀っていう人が、ミーティング終わったら来てくれって言ってました」
「・・・あぁ」
半ば放心状態の体に鞭を打ち、立ち上がる。スポーツドリンクを手に取り、タオルで髪の毛を無造作に拭く。
と。
「おい、葉月っ!」
誰かがそう呼ぶ声が聞こえて、ハッと顔をあげる。