放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
「失礼します」
そこはまるで会議室のようで、折り畳みタイプの机と椅子が部屋の片隅にまとめられていた。
窓からフィールドを見るように立っていた監督が、俺の声に振り返る。
と、もう一人。
「・・・お疲れ、大地君」
年は50代ぐらいだろうか。ワックスでセットされた髪の毛に、黒のスーツと赤いネクタイがとても似合っている。
「ありがとう、ございます」
その姿に、俺は見覚えがあった。