放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。



いつぶりだろうか、泣いている弱い姿を瞳にしたのは。

そもそも泣いてる姿を見たことがあったかな。

それぐらい泣いてる姿を見たことがなくて、戸惑いを隠せなかった。

走り出す姿を見て、勝手に身体が動いた。


だけど。



「行くな」



掴まれた右手は、予想以上に痛かった。



「でも、健人が・・・!」

「駄目だ、行かせない」


そんなあたし達の様子を見た美空が、あたしの代わりに健人を追いかけてくれた。
< 288 / 416 >

この作品をシェア

pagetop