放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
いつぶりだろうか、泣いている弱い姿を瞳にしたのは。
そもそも泣いてる姿を見たことがあったかな。
それぐらい泣いてる姿を見たことがなくて、戸惑いを隠せなかった。
走り出す姿を見て、勝手に身体が動いた。
だけど。
「行くな」
掴まれた右手は、予想以上に痛かった。
「でも、健人が・・・!」
「駄目だ、行かせない」
そんなあたし達の様子を見た美空が、あたしの代わりに健人を追いかけてくれた。