放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
その直後。閉まっていた扉が開いて、そこから現れたのは日向大地だった。
「大地・・・」
翔也の声を無視して、走りだした日向大地。しかしそれは、阻止されてしまった。
葉山琴美という、マネージャーで明らかに日向大地に好意をよせている女の声によって。
結局日向大地は、美空を追いかけることはなかった。
再び、廊下には二人だけの嫌な空間になる。重い沈黙の中、掴まれた右腕は未だに離される事はない。
「・・・て」
「え?」
「どうして、行かせてくれないの!?」