放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
ドアを閉めようとしたら、それを阻止する手。
「うわ・・・!」
ドアの隙間から見えた、健人の表情。それは何かを迷っているように見えた。
「・・・・・・あの、さ」
「うん」
「・・・」
ドクンドクン、と心臓の音が早くなっていく。
「・・・、」
「ありがとう・・・っ」
「え・・・う、ん・・・」
キッチンから聞こえたお母さんの声に気がついた健人は、そのまま何も言わずに行ってしまった。