放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。


重い身体をやっとこさ起こして、机上に置かれたままのスマホに手を伸ばす。


普段は電話なんて滅多にしないんだけど・・・。


枕をお腹に抱えたままスマホを弄る。アドレス帳を開き、下にスクロールをしていけば、目的の名前が。


たったツーコールで翔也は出た。



『もしもし』

「あ、翔也?莉奈だけど」

『うん』

「今週、久しぶりに動物園行きたい!」

『別にいいけど、どうした急に』



電話の向こう側から笑い声が聞こえる。



「ねえ、翔也」

『ん』

「あたしね、翔也の事好きだよ」

『・・・何、何かあったの』

「翔也は?」



翔也の質問を無視して会話を続けるあたしに、呆れたため息が聞こえる。


だけどすぐに。




『俺のほうが、好きにきだバーカ』




欲しい言葉をくれる、あたしの彼氏。
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