放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。



ガタッと音を立てて立ち上がる。あまりにも勢いがよ過ぎて、机に太ももをぶつけたが、なんとか痛みに耐える。



「はい、これ。ハッピーバレンタイン」

「え、うわマジ!?さんきゅっ、相川」



ピンクの包装用紙に包まれた小さな箱の中は、トリュフが仕切られたスペースに4個並んでいる。



「うまそ~」

「美味しいわよ、美空のトリュフ」

「うわ、莉奈と同じ包装に同じ量とか義理感満載じゃねーか!」

「だって義理だもん」

「相川、サラッと傷つくことを・・・!」




賑わうクラスに溶けていく私達の笑い声。


なんだか前のように戻れたみたいで嬉しかった。今ではめっきり関わりが薄くなってしまった5人の関係が、ここからまたあの頃のように戻れればいいのに。



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