放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
サッカー部の部室の前に立つ。中から声は聞こえないが、ドアの隙間からは光が外に漏れている。
トン、トン、と小さく胸を拳で叩く。
そしてその手で、部室のドアをノックしようとした時―――――。
「大地先輩」
寸止めで、その手を止めた。
聞いたことのある声に、すぐに琴美ちゃんだと分かった。そして、中に日向君が居ることも。
早くどけばいいのに、足が言うことを聞かない。