放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
「それは、」
グッと言葉を詰まらせる莉奈。
聞きたいことを一気に吐き出した自分に戸惑う。こんなに感情的になったのはいつぶりだろうか。もしかしたら初めてかもしれない。
いや、確実に初めてだ。友達にこんなに感情的になるなんて。
「美空を、傷つけたくなかった・・・から」
俯きながら答える莉奈に、溢れ出た初めての感情をセーブする事ができない。
「100%無理って知ってて、私のこと応援してたんでしょ?傷つくから教えられなかった?私は、裏で嘲笑われてたほうが、よっぽど傷つく・・・!」
口から出る鋭利な言葉たちは、まるで見えない矢のように、莉奈に飛んでいく。