放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
「せっかく5人が揃ったのに、もう卒業か・・・。この校舎ともお別れだ」
日向君の言葉に全員が後ろにある校舎に視線を向ける。雨に打たれても強い風が吹いても、どんな日も変わらない姿で、変わっていく私達を見守ってくれた校舎。
5階の窓のカーテンがゆらゆらと踊っている。
ボロいなんて、汚いなんて、いつも言ってごめんね。
いつも、いつも――――私達を守ってくれてたね。
私達の青春をいつも見守っててくれたこの校舎には、宝石にも負けないぐらい輝いていた思い出が詰まってる。
涙が頬を伝う。
どうしてだろう。
3年間の片想いが実ったのに。
バラバラになって5人がまた揃ったのに。
悲しくて仕方ないんだ。