放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
「みぞらぁぁ~」
「やだよぉ~っ」
もっと5人でいたかった。
もっと日向君と一緒にいたかった。
もっともっといろんな事をしたかった。
狭い教室で笑いあうことも
広いグラウンドを走り回ることも
長い校長先生の話を聞くことも
もう、ないんだね。
「まだ、ごごにいだいよ~っ」
いつだってそうだ。
時計の針はいつだって、私達を置いて進む。
「もう、俺達は高校生ではいられない・・・んだな」
その言葉に更に頬を伝う涙。葉月君の言葉に改めて思い知らされる。
ダサくて着崩した制服も、落書きだらけの上履きも、お揃いのストラップがついたスクバも―――。
もう、手放さなきゃいけないんだね。
「だけど、俺達の思い出は消えねぇよ。ずっと、ここに残ってる。そりゃ楽しいことばっかじゃないし、遠回りした俺達だけど、」
「う゛ん・・・っ」
「いろいろあった青春のほうが、振り返った時に楽しいだろっ!」