放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
学校、という広いようで少し窮屈な場所。
朝は早くて面倒くさいし、授業は眠くてだるい。宿題や課題テストはたくさんあって、そのくせ部活は大変で疲れるし、帰るのは夜遅い。
でも。
休み時間の友達との会話、好きな人の隣の席になれた時の喜び、インターハイを目指しグラウンドを駆け抜ける事、教室でくだらない事して笑い合える事。
それらは全て高校時代でしか経験できません。
狭い中学校とは違う。
広い大人の社会とは違う。
少し曖昧な世界にいる皆さん。
その教室から見える景色、授業中の退屈な時間、走り抜けた廊下、嫌々体育で走らされるグラウンド、長い校長先生の話を聞く体育館。
楽しくて仕方がない文化祭、真っ赤に日焼けする体育祭、クラスで協力し合う球技大会、笑いが絶える事を知らない修学旅行―――・・・。
いろいろなことに触れてください。瞳に焼き付けて下さい。写真におさめてください。
友達に毎日会うことが出来るというのは学生時代しかありません。大学に行けば、地元の友達には簡単に会えなくなります。社会に出ればもっと会えなくなることでしょう。
椅子に座り、机に教科書とノートを広げ、黒板に散りばめられた文字たちをノートに広げていく。
当たり前の学生生活はいつしか終わりを向かえ、当たり前と呼べなくなる日がきます。
寂しく感じることもあるでしょう。旧友に会いたくなる時もあるでしょう。でも、私達は止まることはできません。
時間はいつだって、私達を置いて先に進みます。