放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。
私は今日着慣れた制服を脱がなければいけない日を迎えました。そして1ヵ月後、今より少しだけ広い世界に足を踏み入れます。
踏み入れれば、きっと今の気持ちは薄れ、いつしか「楽しかった」「辛かった」と形容詞でしか高校時代の気持ちを表せなくなる日が来ることでしょう。
実際、今の私に中学校時代はどうだった、と聞かれても「楽しかったけど部活が大変だった」ぐらいの感想しかいえません。
あの頃感じてた細かい感情は、今ではもう思い出せません。
それはきっと、ほとんどの方がそうなのではないかと思います。
だけど実際の学生生活って形容詞の一つや二つでは表せきれないほど、複雑な感情を持ちながら生活してるんです。
恋愛だけじゃない、人間関係だってそう、進路だってそう、部活だってそう。きっと今だって、悩んでる人がいるし、悩んでた方も多いのではないのでしょうか。
学生生活の気持ちを思い出して欲しくて、また忘れて欲しくなくてこの物語を書くにいたりました。