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試合終了後

G高校のバスケ部はみな一斉に

森田に駆け寄りそして胴上げをしていた

それに比べオレらS高のバスケ部員は

オレと目を合わせないよう必死に下を向いていた。

オレは当時自分以外はみんなカスだとおもっていて

カスはカスなりに精一杯できることをしろと

的確なパスもできないやつはいらねえ

結果も出せない奴が夢ばかり語るな

優勝じゃなきゃ意味がねえと

G高との試合のあとは

怒鳴りもせず淡々と言っていた

それはオレが高1のときから

先輩関係なく部員にずっと言ってきた言葉だった

そのせいか、部員達はオレに引目を感じていたんだと思う

いつからか楽しくてやっていたバスケが

楽しくなくなり森田を倒す為だけの

ただのワンマン玉入れゲームになっていた

回りが見えていなかった

森田がオレより強いのは当たり前だった

よく回りが見えていた

回りもよく森田をみていた

お互いがお互いをみていて

タイミングよくボールが回っていた

それに比べオレは

結果重視の結果主義者

自分の失敗を棚にあげ

部員がパスミスでもするようならあからさまに不機嫌になった

誰がそんな奴とバスケがしたいだろうか

なぜ相手の立場になって考えることが出来なかったのだろうか

点を入れることだけが全てじゃない

そんな簡単なことがなぜわからなかったのか

試合が終わってから分かった

オレは期待のエースだとか新星だとか言われ

自分を過信しすぎていた

回りを信頼できず

信頼しようともしなかったんだと

そして試合が終わったと同時に

オレはバスケをやめようと思った


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