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一人暮しを初めた

アルバイトも始めた

オレの家は母子家庭だ

父親はオレが小さいときに離婚したらしい

女手ひとつで育ててくれた

仕事と家事を両立するのは

こんなに大変なのだと

母親の凄さを知った


バイトの帰りに高校の頃の

バスケ部臨時コーチ(28)から電話が来た

「J大合格おめでとう。大学に入ったらまずは彼女つくれよ」

「ありがとうございます。いや別に必要ないですけど」

「おまえさぁモテるのにほんと損だよなぁ
性格わりーしよ友達できんのか?」

「うるせーな余計なお世話っすよしね」

臨時コーチは高校時代唯一オレを怒鳴り散らしていた人だった

成績も良かったオレはちょっとやそっとのことじゃ

教師もなにも言ってこなかった

だけどこの臨時コーチ(名前忘れた)は

オレが不機嫌になるとすぐ気付き

オレを注意してきた

「威圧するな!ガキじゃあるめーしすぐ態度に出すな!ガキ!」

と、どっちがガキなのか分からないぐらい馬鹿みたいにデカイ声で唾を飛ばしながら怒鳴っていた

「おまえさぁやっぱ好きな子とか作れよ 恋愛も悪くねぇぞ まぁお前のその眉間のシワみたらみんな逃げてくか 笑笑」

いやなんなんだよ

ひやかしか?

「用件ないなら切りますよしね」

「まぁまぁ落ち着けってとりあえず20歳になったら酒でものもーや。それまでに土産話の一つや二つもってきてくれよ。」

「おめー悪いやつじゃないんだが素直じゃねーから今だにあいつらに謝れねーんだろ?大学いって友達つくって彼女つくって謝り方の1つや2つ教えてもらえよ」


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