届け───私の言葉
教室に着くと、ある違和感を覚える。なんか、教室が冷たくなったような、そんな雰囲気になった、気がする…。

しかも、なんかクラスの女の子からの視線が私に向いている気がする。

なんだろ、でも嫌な予感しかしない。

きっとこの痛い視線の原因は、すばる君だ。私が並んで入ってきたことで、なんか思われたんだ。

どうしよう、初っぱなからこんな感じとか…最悪…。

確かにすばる君って、やっぱりモテそうだし、人気者っぽいよね。
今も、たくさんの友達に囲まれてる。

私とは大違いだ。

私は席順が、クラス替えのあとはだいたい後ろのほうで窓側だから、いつもイヤホンで音楽聴いてるか、小説を読んでる。

中三までは友達は数人いたけれど、高校でみんな別れてしまった。

それから、高校では浮かない存在になるように努力したけど…やっぱ無理だった。

んー、いや、黒歴史は思い出さないようにしよう。

今年も散々な一年になりそうだ。

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