きっと2人は恋をする
私たちの住む場所は綿津見市(ワタツミ シ)美しい山と海に囲まれた少し田舎の市。都会と比べたら店は少ないけど、自然を活かしたPRで街の活性化を目指してる。

綿津見市の特産物は蜜柑。夏になると甘酸っぱい香りが風に乗って漂う。市の花になるほど有名でもあるんだ。

そんな綿津見市にある私達が通う学校は海凪高等学校(ミナギ コウトウガッコウ)。
女子生徒の制服は白と薄群青色を基調としたセーラー服。水色のカーディガンには金色のボタンがついていて、スカーフじゃなくてリボンになっているのがポイント。この制服が着たくて進学する生徒も少なくはないんだよ。
男子の制服もカッコよくて、紺色を基調としたブレザー。薄群青色のネクタイと金色のボタンが目を引くんだ。

「小春ー、後少しで着くから降りとけ。」

あ、そうそう。校門前にはいつも佐々木先生っていう生徒指導の男の先生が立っているの。二人乗りがいないかとか、校則を破っている奴はいないかとか見てるんだ。……私達も二人乗りして破っちゃってるけど。あまり怒らないけど、代わりに先生のお手伝いとか頼まれちゃうんだよね。

「分かった、なっちゃん。」

そう言って私とゆきちゃん、まぁちゃんは自転車から降りた。男子も降りて自転車を押し始めた。
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