[実話]16歳〜私の生きた道〜
余命
午後一番で先生が部屋に入ってきた。
「こんにちは」
私は軽く会釈する。
「あなたの心臓が生まれつきの奇形種だということはご存知ですね?」 
「はい」
「今回の検査で…」
「先生!」
話を途中でさえぎった。
「どうしましたか?」
「私は、どれくらい生きられますか?」
「…」
「言ってください。すべて…」
話し辛そうに口を開く。
「はっきり言うと、いつ突然死してもおかしくない状態です。エプシュタイン奇形とい病気です。本来ならば今すぐにでも手術を行うべきですが、この病気は奇形がとても複雑な形をしているために、大変難しい手術になります。それに加えて美沙さんの心臓は合併症を持っていて組織が脆く崩れやすいため、今の状態では手術をできる状態ではありません。しばらくは症状に応じて対処療法をしていくしかありませんね。」
「助からないんですか?」
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